
僕が好きな、小松市の前川の夕景です。
この写真、写真としてはちょっと不自然な感じがしますよね。
ちょっと絵画調と言うか、コンピュータグラフィックスのような。
実は、この写真、デジカメで撮った写真をソフトウエアで加工してあります。加工と言っても色を変えたりしてるわけではありません。
HDR合成という手法で、ダイナミックレンジを拡張したものです。
ダイナミックレンジとは、信号の再現能力を表す数値で、画像や音域の再現範囲の広さのこと(専門的には定義が違うかも。あくまで僕の理解です)。
音楽でもオーディオ機器の性能を表現するのにダイナミックレンジが使われます。例えば、CDのダイナミックレンジの理論値は98dBで、オーケストラのダイナミックレンジは115dBに及ぶから、理論上、オーケストラの迫力をCDで再現するのは不可能ということになる。
まあ、そんなことは当たり前のことで、オーディオ機器に数千万円注込んだところで、生のオーケストラの演奏に敵うはずがなく、誰もそんなことを望んでいるわけではなくて、可能な限り生の音に近づけたら良いなあということなのだけど。
聴覚と同じように視覚においてもダイナミックレンジの再現というのは限界があるわけです。人間の視覚は、80dB程度のダイナミックレンジがあると言われていて、瞳の絞りによって100dB以上の明るさを識別することができます。
デジカメで言うとメーカーや機種にもよりますが、1000万画素クラスの一眼デジカメはおよそ60db。コンパクトデジカメは48db。
一方で、ネガフィルムの場合は82db。ポジフィルムは70db。
と言うわけで、デジカメのダイナミックレンジはまだまだ人間の視覚のそれに及ばず、ネガフィルムが何とか近いという感じ。
と言うわけで、普通に写真を撮る場合、どんなに露出などに工夫しても人間がその場で見た風景を記録することは不可能なんですね。
当たり前と言えば、当たり前。露出を変えて暗過ぎる部分を明るくすると明るい部分が露出オーバーになっていわゆる白トビを起こしてしまうし、逆のことを行えば暗部が黒ツブレを起こしてしまう。
人間の視覚というのは、うまくできたもので、明る過ぎる、暗過ぎる部分を何だか適度に補正して見ているらしい。
まあ、そんな人間の視覚に近い画像を作ろうというのがHDR合成なわけです。だから、普通の写真では有り得ないちょっと不思議な画像となるので、人間の視覚に近いと言っておきながら、何となく違和感を感じてしまうのも事実。
リアリティを追求するというのは難しいもんです。





















